始終私の心を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛 んで来たとみえて
梶井基次郎 / 檸檬 ページ位置:57% 作品を確認(青空文庫)
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安心する
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前後の文章を含んだ引用
......単純な色も、それからあの丈 の詰まった紡錘形の恰好 も。――結局私はそれを一つだけ買うことにした。それからの私はどこへどう歩いたのだろう。私は長い間街を歩いていた。始終私の心を圧えつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛 んで来たとみえて、私は街の上で非常に幸福であった。あんなに執拗 かった憂鬱が、そんなものの一顆 で紛らされる――あるいは不審なことが、逆説的なほんとうであった。それにしても心という......
単語の意味
弛む(たるむ)
弛む2(たゆむ)
弛む・・・ぴんと張っていた物や気持ちがゆるむ。
弛む2・・・いやになって、心の緊張がゆるむ。努力を怠る。なまける。
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病室にいると、産湯につかった赤ん坊のように、安心できた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
張り詰めていた気分が見る見る弛 んで来る
夢野久作 / あやかしの鼓
新着メッセージの中に、彼の名を見つけた時、何かがずしりと胸の奥底に降りてきたような気がした
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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侮蔑 の笑い声が司祭の傷口をひろげて針のように刺す。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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