TOP > 感覚表現 > 雰囲気・空気 > 雰囲気が悪い・重苦しい空気
(別れ話に)彼は完全に泣いていた。明るいとんかつ屋の片隅は、まったく異様な空気に包まれ、従業員たちは恐れをなして皿をさげにも来なかった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 ページ位置:86% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
雰囲気が悪い・重苦しい空気
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......来たわ。だけど、殺されるなんて初めてよ。屈辱だわ」「じゃあ、私のことも殺してくれ。お互いに殺し合おうよ」 これほど、寂しい台詞があるだろうかとクラウスは思った。彼は完全に泣いていた。明るいとんかつ屋の片隅は、まったく異様な空気に包まれ、従業員たちは恐れをなして皿をさげにも来なかった。「嫌だわ。私はあなたを殺さない。私はあなたを追放するわ」 クラウスはがっくりと肩を落とした。国に帰らなくてはいけないのだとだけ言っておけばよかった。そうすれば、......
単語の意味
異様(いよう)
異様・・・様子が普通とは変わっているさま。他とあまりに違っていて、変に思われるさま。
ここに意味を表示
雰囲気が悪い・重苦しい空気の表現・描写・類語(雰囲気・空気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
班内は全く陰うつで残忍な洞窟のようなところとなった。
野間 宏 / 真空地帯 amazon
娘の気持ちが暗くなると、家の中には雨洩りがするときに似た陰湿なものが漂い始める
有吉 佐和子 / 三婆 amazon
会社全体に怠惰な空気が漂いはじめている。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「雰囲気・空気」カテゴリからランダム5
あたりの空気が飴のように粘りはじめる
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
空気がチリチリするほど清潔で溌剌としている
原田 宗典 / 十九、二十(はたち) amazon
しっかり閉じられた病院の窓からでも五月の暖かい日差しが入り込んでいる。けれど、窓の向こうの風が届かないと、閉ざされた息苦しさは消えない。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
雰囲気・空気 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ