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家を何日もあけることが多かったので、父にまつわる思い出は、どれもみな感慨の少ない不鮮明なものばかりだった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 ページ位置:38% 作品を確認(amazon)
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶
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前後の文章を含んだ引用
......筋を弘美と並んで歩いて行った。 父が死んだのは、邦彦が中学三年生のときであったから、もうすでにその面影はおぼろなものになっている。親子の会話もあまりなかったし、家を何日もあけることが多かったので、父にまつわる思い出は、どれもみな感慨の少ない不鮮明なものばかりだった。 それなのに、通天閣の見えるどこかの橋の上で立ち話をしている、父と弘美の姿が、妙にありありと心に浮かんでくるのだった。遠くに隠れて、はっきり自分の目で見届けてい......
単語の意味
感慨(かんがい)
纏わる(まつわる)
感慨・・・強く感じること。心に沁みること。しみじみと感じる気持ち。
「概」は、心を揺さぶる思いで一杯になることをあらわす字。
「概」は、心を揺さぶる思いで一杯になることをあらわす字。
纏わる・・・1.絡みつく。絡みついて離れない。まとわる。
2.関係や縁がある。「神社にまつわる伝説」
2.関係や縁がある。「神社にまつわる伝説」
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表情が思い出せない。印象だけだった。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
風景が時の襞(ひだ)に吸い込まれた風化する
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
(事故あと過去の記憶があいまいになるが以前と同じ生活を続ける)目が悪くなってコンタクトを入れる、そういうのに似ていた。私にとってあの事故とその後のことは。 あんなすごいことがおこったのに、単に私が私としてだらだら生き続けていつか死んでゆく、そういう流れの中に自分の中でいつの間にか自然に溶け込んでいる。日常というものの許容量とは、おそろしいものだ。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
病気のせいか、脳味噌のほうも半分分厚い半透明のビニールをかぶったようで 焦れったくなる。
向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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