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大通りに出たとき二人の間の十年間の 間隙 がいくらか埋められているのを二人は感じた。
野間 宏 / 残像「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:10% 作品を確認(amazon)
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親しい・仲がいい
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......て歩いて行った。その間、二人は、二、三度、人々におされて体をぶっつけ合ったし、彼は彼女が人に押された弾みに落した手提袋を人々の足からまもって拾ってやった。そして大通りに出たとき二人の間の十年間の間隙がいくらか埋められているのを二人は感じた。 二人は日の照りつける道の真中で再び向い合った。それは何か真実の声が二人のうちのどちらかから出されなければならない瞬間であった。しかし二人の口は堅くとざされ、彼......
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親しい・仲がいいの表現・描写・類語(人間関係・地位のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「普通に話せる」という感覚はとても難しいと思う。笑わせようとか、盛り上げようとか、沈黙が気まずいとか、そういうことを一切気にしなくていいような、心拍数の変動が全くないような「普通」の会話ができる相手って、きっと、すごく貴重だ。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
大通りに出たとき二人の間の十年間の 間隙 がいくらか埋められているのを二人は感じた。
野間 宏 / 残像「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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男の群れは、この二人 の女性を中心にして知らず知らず渦巻 きのようにめぐっていた。
有島武郎 / 或る女
小川さんたちの無視が静かなものだったせいか、私は思ったほどには傷つけられずに済んだ。 時折吐き捨てられる「死ね」「きもい」という言葉だけが、しんしんと、教室の中を降ってくる。その言葉は、静かに、私の内側に降り積もっていく。 その雪みたいな言葉たちと、無視という沈黙。私がされたのはそれだけで、何かとからかわれて標的にされている馬堀さんに比べれば、随分とラッキーだった。 枠から外れてみると、学校は随分と静かな世界だった。あんなに賑やかだった休み時間の騒ぎ声も、テレビの砂嵐のような意味のない雑音に変わった。 騒がしくてあわただしい教室の中で、私の時間だけが、やけにゆっくりと流れていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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