(長文のメール)そのメールの途轍もない長さに驚いた。右端のスライド・バーが、米粒のように小さくなっている。こんなに長いメールはかつて誰からも貰ったことがなく、最初は一体、何が書かれているのだろうかと、喜びよりも不安が勝っていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:16% 作品を確認(amazon)
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......かったので、所詮は、二人は別世界の住人だったのだという結論を寂しく受け容れた。 洋子からの「長い長いメール」が届いたのは、その矢先のことだった。 蒔野は、洋子のそのメールの途轍もない長さに驚いた。右端のスライド・バーが、米粒のように小さくなっている。こんなに長いメールはかつて誰からも貰ったことがなく、最初は一体、何が書かれているのだろうかと、喜びよりも不安が勝っていた。 しかし、十行ほどを読んだところで、彼はその非常に端整な文章に引き込まれていった。分量は多かったが、病的に筆が走ったところは一箇所としてない。それはちょっとした......
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(長文のメール)そのメールの途轍もない長さに驚いた。右端のスライド・バーが、米粒のように小さくなっている。こんなに長いメールはかつて誰からも貰ったことがなく、最初は一体、何が書かれているのだろうかと、喜びよりも不安が勝っていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
送られてくる一文字一文字に音があって、聞いたこともない女の声がはっきりと耳に届いた。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
(上階の者にメール)携帯の画面上にある「送信」という文字を、真上に向かってタップする。メールが、すぐ上の階に届く軌跡が見えたような気がした。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
(メールの返信の速さ)洋子からは、しばらく返事が来なかったが、それは、彼女がいつも、真剣に物事を考える時に必要なあの時間の長さのように感じられた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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「はい」日比野は兵隊が上官に答えるように、答えた。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
それはまったくのところ、労多くして得るところの少ない作業であった。今にして思うに、もしその年に「他人の話を熱心に聞く世界コンクール」が開かれていたら、僕は文句なしにチャンピオンに選ばれていたことだろう。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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