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一度とにかく顔を合わせて、ある程度まで心を触れ合ったどうしが、いったん別れたが最後、同じこの地球の上に呼吸しながら、未来永劫 またと邂逅 わない……それはなんという不思議な、さびしい、恐ろしい事だ。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:8% 作品を確認(青空文庫)
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返事がない・音信不通
とてもさびしい
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前後の文章を含んだ引用
......風景画もとうとう私の手もとには届いて来なかった。 こうして二年三年と月日がたった。そしてどうかした拍子に君の事を思い出すと、私は人生の旅路のさびしさを味わった。一度とにかく顔を合わせて、ある程度まで心を触れ合ったどうしが、いったん別れたが最後、同じこの地球の上に呼吸しながら、未来永劫 またと邂逅 わない……それはなんという不思議な、さびしい、恐ろしい事だ。人とは言うまい、犬とでも、花とでも、塵 とでもだ。孤独に親しみやすいくせにどこか殉情的で人なつっこい私の心は、どうかした拍子に、このやむを得ない人間の運命をしみじ......
単語の意味
永劫(えいごう・ようごう・ようこう)
永劫・・・非常に長い年月。「劫(こう・ごう)」は仏教における時間の最長単位で「きわめて長い時間」のこと。
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心のうちでごおんと鐘の鳴るような淋しい気持ち
林芙美子 / 新版 放浪記
(仲よしグループから当然の絶縁を宣告され、思い当たることがない心境)どう言えばいいんだろう、まるで航行している船のデッキから夜の海に、突然一人で放り出されたような気分だった《…略…》誰かに突き落とされたのか、それとも自分で勝手に落ちたのか、そのへんの事情はわからない。でもとにかく船は進み続け、僕は暗く冷たい水の中から、デッキの明かりがどんどん遠ざかっていくのを眺めている。船上の誰も船客も船員も、僕が海に落ちたことを知らない。まわりにはつかまるものもない。そのときの恐怖心を僕は今でも持ち続けている。自分の存在が出し抜けに否定され、身に覚えもないまま、一人で夜の海に放り出されることに対する怯えだよ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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いつも寂しい砂地のような心の人
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
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あまり早く問題を提議したような流暢 でない気持がした。
岡本かの子 / 母子叙情
ころんとサイコロを振るように言った。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
咽 元 に出かかった言葉を、三太は何度も 呑み下した。
浅田次郎 / ろくでなしのサンタ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
大きな碇のように重い説得力だ。すべての船はその大きさと重さに相応しい碇を持つ。《…略…》あの男は確かに大きな船を思わせる人間だった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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