(恋の終わりの予感)2人はもう終わるかもしれない……と思った。やることがない。のびてゆく方向が閉ざされている。ガラスケースのなかの植物のように、助け合っていてもお互いがお互いに救いや解放感を感じさせない。 闇 の中で傷をなめあったり、老夫婦のように寄り添って暖をとったり。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:74% 作品を確認(amazon)
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失恋・恋人と別れる
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......かで力があって、苦しいほどの草の匂いがする。「どこへ?」 とかげが聞いた。「2人で外出するのが、あんまり久しぶりなんで。」「忙しいしね。」 そのとき、突然に、 2人はもう終わるかもしれない……と思った。やることがない。のびてゆく方向が閉ざされている。ガラスケースのなかの植物のように、助け合っていてもお互いがお互いに救いや解放感を感じさせない。 闇の中で傷をなめあったり、老夫婦のように寄り添って暖をとったり。 それだけ。 その思いは胸にふくれあがり、私を支配しようとした。 でもそのときとかげが突然言った。すべてを変える魔法のタイミングで。生きた言葉、生の変化の喜びを......
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失恋・恋人と別れるの表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
その恋愛は、私との愛情がまだ終りをつげないうちにほろんで亡くなってしまいました。
林芙美子 / 新版 放浪記
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折り重なり、果て、そしてたちまち黒い眠りが彼を捕らえた。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
腰骨がぶつかってくすんだ音がする。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
「不倫の末にきちんと結婚したという例はほとんど0です。そのことがわかっている人だけが不倫の恋を楽しめる資格があります。そしてこの恋を自分の成長のためのひとつのステップにしましょう。」 どういう女性誌を見ても、たいていそう書いてある。
吉本 ばなな / キムチの夢「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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