日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

腰骨がぶつかってくすんだ音がする。

小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録　ページ位置：36%　作品を確認（amazon）

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前後の文章を含んだ引用

......その吸い付くような感触は唾液と一緒に喉を降り、肺を嘗め、子宮の奥で行き止まる。何回も何回もその感触は降りてきて、濃縮され、反対に子宮を突き上げるような疼に変る。腰骨がぶつかってくすんだ音がする。彼の粘膜が、わたしの中で丁寧に体温を吸い取ってゆく。襖の向こう側に飛び散ってしまいそうな神経を、懸命に自分の内側に向ける。神前でうずくまっているさえが、不意に起......

単語の意味

腰骨（こしぼね）

腰骨・・・１．腰の部分の骨。腰っ骨（こしっぽね）。腰骨（ようこつ）。
２．我慢強く、押し通して実行する気力。忍耐強く、やりとおす精神力。腰っ骨（こしっぽね）。「腰骨が強い」

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おだやかな、時間をかけた、散歩でもするような交合

山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録　amazon

男の腰は異常な早さで女の白い下半身に打ちつけられる。

私たちは、ゆっくりと、お互いの体温の中に落ちていった。《…略…》私たちの欲望が、音楽になって互いの身体に流れ込む。　伊吹に発情を奏でる私《…略…》身体の中にあった、言語化できなかった感情たちが、液体になって、伊吹にしみこんでいった。

村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録　amazon

念入りにセックスする

言葉は一言も交わされない。ベアールは両目を大きく開け放ったまま、喘ぎながら男を受け入れ、虚空を凝視している。その、黒い湖面を思わせるような大きな瞳がみるみるうちに潤み始める。半開きになった唇も濡れている。汗のせいで、頰も小鼻の脇も額も顎も、何もかもが濡れている。まるで水の中で見る女の顔みたいだ。