診察室にも 垢 臭い変な臭いがこもっている。ここに来た患者たちが溜めていった体臭なのか、それとも薬の臭いかわからない。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:6% 作品を確認(amazon)
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病院
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前後の文章を含んだ引用
......。雨戸はまだ閉めきったままで、庭には子供の長靴がやっぱり落ちていた。犬小屋も空のままだった。細君がいない間、勝呂医師は一人で自炊しているらしかった。 家の中にも診察室にも垢臭い変な臭いがこもっている。ここに来た患者たちが溜めていった体臭なのか、それとも薬の臭いかわからない。窓を覆った白いカーテンの真中が裂けていて、なかば陽に焼けている。私は勝呂医師の診察着に小さな血の痕があるのを見てイヤだった。 ひびのはいった空ベッドに私が横にな......
単語の意味
垢(あか)
垢・・・皮膚の上の、汗やほこり、脂が交じってできる汚れ。
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白い角砂糖のような病院の建物
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
コの字になったこの病院の中庭には、木々の間を縫うように遊歩道が設けられており、パジャマ姿の入院患者やその家族が、何日ぶりかで降り注ぐ柔らかな陽射しを楽しんでいる。
428 ~封鎖された渋谷で~ amazon
田沢小児科は、住宅の一部を診療室に充てた昔風の開業医
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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(横浜刑務所は)周囲を塀に囲まれていなければ、学校と見紛うような建物
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
小さく校舎が見えた。少し黄ばんだその建物は、相変わらず恐竜の頭蓋骨のよう
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
いくらでも夢が見られるようなこのキャンパスの中で
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
船のような大きな賽銭箱(さいせんばこ)
永井荷風 / 歓楽 amazon
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(小さな病院の)昔風の 磨りガラスの 嵌った窓口
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
カーテンの向こうは、冷たい光を反射するリノリウムの床に医療機器や酸素ボンベなどが雑然と置かれた処置室だった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(広めの個室の病室)部屋の中は、トイレもお風呂もついていて、簡単なソファセットもあり、堅苦しいベッドがある以外は、ワンルームマンションのようだ。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
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