日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

何かに心を奪われると、そこに視点が定まり、どこまでも深く吸い寄せられてゆく。

小川洋子 / 乳歯「口笛の上手な白雪姫」に収録　ページ位置：23%　作品を確認（amazon）

この表現が分類されたカテゴリ

しおりに登録する

前後の文章を含んだ引用

......んだら」　そのささやきはいっそう鮮やかさを増した。　しかし母と父は重大な誤解をしていた。君が迷子になるのは活発すぎるせいではなかった。全く逆なのだった。君は一つ何かに心を奪われると、そこに視点が定まり、どこまでも深く吸い寄せられてゆく。一人ぼっちになっても怯まない。迷子の君は動き回ってはいない。小さな靴で、世界の小さな一点に、じっと留まっているのだ。　いくら迷子はお手の物の君でも、その時は少々......

ここに意味を表示

見とれる・うっとり見入るの表現・描写・類語（見るのカテゴリ）の一覧ランダム５

あんまりよく鹿を見ましたので、じぶんまでが鹿のような気がして

宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり

峻（たかし）はまた先ほどの静かな展望のなかへ吸い込まれていった。

梶井基次郎 / 城のある町にて

私たちは喋ることも忘れ、ばかみたいに口を開いて、長い時間それに見とれた。

新海誠「小説君の名は。 (角川文庫)」に収録　amazon関連カテ口が開いたまま見とれる・うっとり見入る

何かに心を奪われると、そこに視点が定まり、どこまでも深く吸い寄せられてゆく。

小川洋子 / 乳歯「口笛の上手な白雪姫」に収録　amazon

（昔、国定教科書で見た挿絵）それらはなにかその頃の憧憬の対象でもあった。単純で、平明で、健康な世界。――今その世界が彼の前にある。思いもかけず、こんな田舎の緑樹の蔭に、その世界はもっと新鮮な形を具（そな）えて存在している。　そんな国定教科書風な感傷のなかに、彼は彼の営むべき生活が示唆（しさ）されたような気がした。

梶井基次郎 / 城のある町にて関連カテ絶景・美しい風景見とれる・うっとり見入る