さくさく飯が掻きこめる

本来重く粘りつくご飯が、湯や茶に出会うとなぜか粘り気を失って、その温かな液体の中でサラサラと動き、軽々と喉の奥へ送り込まれていく。茶漬けはそういう軽い流れが心地いい。

干からびた高菜漬で味わう茶漬けは、貧乏くささの中にはかない味が漂い、いじけたうまさがあった

鮭を適当な大きさにほぐし一口分を手前に寄せ、残りを向こう側に寄せ、お茶とご飯のバランスも整える。「あ～」と言いながら暫くはご飯とお茶と塩鮭の咀嚼に専念。流域のあちこちで米粒の味がし、塩鮭の一かけの味がし、お茶の味がし、一つ一つの味が味わえて、そして総合的な味も味わう。

マツタケ茶漬けは、茶とご飯の間に浮遊するマツタケのグキグキとする歯ごたえを楽しむ。

豚肉のカツレツをのせれば更に美味しい

フランス人はパンが好きで、パンならいくらでも食べられるが、ご飯は食べなれていないし、野菜としてあつかうくらいだから、ほんの少ししかたべない。

ご飯を上回る量の海苔はどこかそそる

米を瀑布のようにざっと落下させる

本当に素朴で純粋な味付けの五目釜ご飯