（有名人のネット検索で出る称賛と批評（罵倒））〈蒔野聡史　ギター〉とネットで検索してみたことがあった。それは、彼の内面の引き出しをこっそり覗き見るような感覚で、その度に、彼女は 居た堪らない気持ちになって、出て来たページをそっと閉じるのだった。 　香り豊かな溢れんばかりの花々のそこかしこには、いつか彼が怪我をするのを待っている釘やガラス片が紛れていた。ありとあらゆる賛辞が鮮やかに咲き誇っている一方で、量こそ劣るものの、一つ一つがやけにしつこく記憶に刻まれてしまう批判や中傷の類も、鋭利に輝いていた。

（ネットサーフィン）動画共有サイトでアイドルのライブ動画をひたすら渡り歩く

ウェブデザインの仕事をしているというので、関連語句と併せて検索すると、フェイスブックの彼女のページに辿り着いた。

この頃つくった詩だと云って、それを大きい声で私に朗読してくれた。激しい飛び散るようなその詩

舞台の荒っぽい興奮に巻き込まれ、客が喚声をあげる

ゲームのコントローラーをカシャカシャ動かしながら、テレビに視線を集中させている

ドラマを見て涙ぐむ

しみじみとこの詩をよみ返すと、私はいかにもきよらかな朝の空気の中にいるような心地がして、その朝のむし暑さをすっかり忘れてしまいました。