ラジウムの 含有量 で世界第二位というここの湯が気に入っていた。いかにも厚味のあるトロリとした 肌 ざわり、そして出てからいつまでもぽかぽか温まっている
志賀 直哉 / プラトニック・ラヴ「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 ページ位置:6% 作品を確認(amazon)
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温泉
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......え、落ちては消えたりする時、一体が寒がりで、風邪を引きやすい私は、これはとても落ちついてはいられないと思った。三日ほどはそんな気持で慣れなかった。 しかし私にはラジウムの含有量で世界第二位というここの湯が気に入っていた。いかにも厚味のあるトロリとした肌ざわり、そして出てからいつまでもぽかぽか温まっている、これが見捨てかねた。それから遠慮せず我がままをいって見ると、何でも快くしてくれる宿の居心地よさも見捨てかねた。ただ、大社詣での客が二タ組三組と団体で来る、その......
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山の中の湯の湧 くとこ
宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり
ほんの茅葺 屋根の吹き曝 しの温泉で、桜の花も散り込んで来たし、溪の眺めも眺められた
梶井基次郎 / 温泉
ラジウムの 含有量 で世界第二位というここの湯が気に入っていた。いかにも厚味のあるトロリとした 肌 ざわり、そして出てからいつまでもぽかぽか温まっている
志賀 直哉 / プラトニック・ラヴ「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
清冽な温泉が、この石の間からぶくぶくと泡をたててふき出している。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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(死刑を言い渡す)その裁判の時間が訪れた。被告人の顔も青かったが、裁判長の顔も負けず劣らず青かった。 「まず判決理由から読んでいきます」 裁判長は言った。主文を後回しにするということは、十分に死刑判決があり得ることをほのめかすものである。被告人は初めこそ金縛りに遭ったように固まっていたが、途中から判決理由の読み上げそっちのけで 嗚咽 を洩らし始めた。嗚咽というよりは 慟哭 に近かった。法廷内にその声が響いた。 それを聞いて、裁判長の朗読もおかしくなった。声が震えて進んでいかない。真っ青になり、 喘ぐように息をしている。 主文。被告人を死刑に処す……。 そこのところはもうほとんど言葉になっていなかった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
両側の家々からは鮮やかな、然し神経を疲らしている者は、その為吐気を催すかも知れない程、あくどい色の着物を着た女達が往来を通る男に叫びかけている。それは 憐憫 を乞うようにも、 罵るようにも聴きなされる叫声であった。
志賀直哉「暗夜行路 (講談社文庫)」に収録 amazon
(室内プール)ダイヴィング・プールは相変わらず温かかった。水の音と人の声が混ざり合って靄のように立ちこめていた。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
ボックスのような小さい駅
林芙美子 / 新版 放浪記
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