一度沈みかけてまた水面に浮き出して来た美魚が、その房々とした尾鰭をまた完全に展 いて見せると星を宿したようなつぶらな眼も球のような口許も、はっきり復一に真向った。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:99% 作品を確認(青空文庫)
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金魚
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......なった。 「意識して求める方向に求めるものを得ず、思い捨てて放擲した過去や思わぬ岐路 から、突兀として与えられる人生の不思議さ」が、復一の心の底を閃めいて通った時、一度沈みかけてまた水面に浮き出して来た美魚が、その房々とした尾鰭をまた完全に展 いて見せると星を宿したようなつぶらな眼も球のような口許も、はっきり復一に真向った。 「ああ、真佐子にも、神魚華鬘之図にも似てない……それよりも……それよりも……もっと美しい金魚だ、金魚だ」 失望か、否、それ以上の喜びか、感極まった復一の体は池の......
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二匹の金魚はいくつかのひれを微妙に動かしながら、ガラスで作られた池の中を涼しげに行き来していた。夏の光がその鉢の中で不思議な屈折を見せ、神秘に満ちた深海の一部をのぞき込んでいるような錯覚を起こさせた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
岡本かの子 / 金魚撩乱
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「水中の生き物」カテゴリからランダム5
綿菓子のようにふくらんで、風にのってながされている金魚もあった。
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
砂の亡霊のような小蟹
中島 敦 / 環礁 ——ミクロネシヤ巡島記抄—— amazon
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