ビールの最後の一口はいつも鉛のような味がした。

渇いた 咽のど にビールがしみ渡った。ひどく苦い。理不尽の味だ。

ビールをグラスに注いだ。泡が収まるのを見届けてから一口で半分飲んだ。

目の奥が痛くなるくらいよく冷えたビール

黄金に輝く液体と白く滑らかな泡、琥珀色８対真綿色２という黄金比のごとき絶妙な比率を愛でるのは実に楽しい

燗にすると酒の味が活性化して一緒に食べるものの味を引き立てる

飲むと手足がポカポカしてくるので、冷えには私は効いてるようだ

酒がさめた。酒が恋しい

グラスにブランデーを二センチばかり注ぎ、一息で飲みくだした。喉が熱くなり、やがて胃が熱くなった。そして三十秒ほどで体の震えがとまった。柱時計が時を刻む音だけが誇張されて頭の中で鳴り響いていた。

旨み、酸味がすべてこぢんまりとまとまり、バランスが取れている。苦味が少ないので味わいもなめらかで余韻もクリーミー。