日光に撒かれた虻 の光点が忙しく行き交う
梶井基次郎 / 冬の日 ページ位置:31% 作品を確認(青空文庫)
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虫が飛ぶ・羽音
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前後の文章を含んだ引用
......なかったような気がした。 彼は細い坂を緩りゆっくり登った。山茶花 の花ややつでの花が咲いていた。堯は十二月になっても蝶 がいるのに驚いた。それの飛んで行った方角には日光に撒かれた虻 の光点が忙しく行き交うていた。 「痴呆 のような幸福だ」と彼は思った。そしてうつらうつら日溜りに屈 まっていた。――やはりその日溜りの少し離れたところに小さい子供達がなにかして遊んでいた。......
単語の意味
日光(にっこう)
虻・蝱(あぶ)
日光・・・日の光。大陽光線。
虻・蝱・・・アブ科の昆虫の総称。ハエに似ているが、少し大きい昆虫。ほとんどの雄は人や家畜を刺して血を吸い、病原体を媒介するとして忌まれている。
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(小さい虫たちが飛び交う)昆虫。昆虫。初冬といっても彼らの活動は空に織るようである。
梶井基次郎 / 冬の蠅
無数のはね虫が火花のように光って飛ぶ。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
飛行機の音ではなかった。耳の後ろ側を飛んでいた虫の羽音だった。蠅よりも小さな虫は、目の前をしばらく旋回して暗い部屋の隅へと見えなくなった。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
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(こおろぎの)雄の、羽根を擦り合せている音は、まるで小声で女を呼ぶような甘くて物悲しいものであった
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
蟬の鳴き声が立体にびっちりと貼りついて
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
(蚊は)蚊帳を透かして来る月光の中を飛んでいるのです。なんだか、月光を求めながら、押し流されては戻って来ようとでもしているようであります。
森 敦 / 光陰「月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)」に収録 amazon
蛾が木の葉のようにぱらりと落ちる
川端 康成 / 雪国 amazon
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