灯火が、寒さのためにぴいんぴいんと音を立てて壊れそうに瞬く

天の川の波（なみ）も、ときどきちらちら針（はり）のように赤く光りました。

灯火がリンの燃えるように怪しい光を放って明滅する

（夜の畑の）トマトは雨で濡れて暗闇の中で唯一赤い。クリスマスに樅（もみ）の木や窓辺に飾られる小さな電球のように、トマトは（車のハザードランプの明かりで）点滅してる。火花を散らしながら揺れる無数の赤い実は、まるで暗い深海に泳ぐ発光する牙を持つ魚のようだ。

てっぺんの赤いライトが心臓の鼓動のように規則正しくゆっくりと点滅していた

影が鋳込んだように濃い

窓から明かりがボンヤリと漏れる

懐中電灯の明かりが、飛び立った鳥のように、急に松の幹から梢へ翔ける

砂は眩（まぶし）いくらい白く

カーテンごしの青白い微光に浮かぶ顔は、昼の光を浴びたときよりもずっと年老いて見える。