彼は、この時、暗い夜の向こうに、――人間の目のとどかない、遠くの空に、さびしく、冷ややかに明けてゆく、不滅な、黎明 を見たのである。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:96% 作品を確認(青空文庫)
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希望が見える・光明が差し込む
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前後の文章を含んだ引用
......、目もはなさず見つめている。が、彼はまだ、口を開かない。ただ、彼の顔には、秘密な喜びが、おりから吹きだした明け近い風のように、静かに、ここちよく、あふれて来る。彼は、この時、暗い夜の向こうに、――人間の目のとどかない、遠くの空に、さびしく、冷ややかに明けてゆく、不滅な、黎明 を見たのである。 「この子は――この子は、わしの子じゃ。」 彼は、はっきりこう言って、それから、もう一度赤ん坊の指にふれると、その手が力なく、落ちそうになる。――それを、沙金 が、......
単語の意味
黎明(れいめい)
黎明・・・1.夜が終わり朝になる頃。夜明け。
2.新しく物事が始まろうとする頃。
2.新しく物事が始まろうとする頃。
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一人の司祭がまだこの日本に残っているということは、ちょうど、ローマのカタコンブに 聖 燭台 の 油 燈 が一つだけ燃えつづけている──それだけの意味はある 筈 です。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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陣治は声もなく 痙攣 して少量の精を放つ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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死体のように堅くしめている唇から、泡 を出していた。
小林多喜二 / 蟹工船
その会話をしたあと、なにかがすとんと正しくどこかにはまったような感じがして、すうっと落ち着いた気持ちになった。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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