恋をしたかったのだ。それも最適な場所で、最適な男と恋をしたかったのだ。京都は久仁子の好みに合い、高志は久仁子の好みに合った。なにもかもできすぎの舞台装置だったと、今さらながらため息がもれる。 その時だ。久仁子は耳をすませた。遠いどこかで、芝居が終る拍子木が聞こえたような気がしたのだ。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 作品を確認(amazon)
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失恋・恋人と別れる
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単語の意味
拍子木(ひょうしぎ)
溜め息・溜息・ため息(ためいき)
拍子木・・・四角い棒状の硬い木で、二本をぶつけて音を出す道具。火の用心の夜回りなどに使う。
溜め息・溜息・ため息・・・気苦労や失望、また、感動したときや緊張がとけたときに、思わず出る大きな息。大息(おおいき・たいそく)。長息(ちょうそく)。
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失恋・恋人と別れるの表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「幸せだった分、いまがつらい……」
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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