じりじりと砂をかむような時間がゆく。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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時間が止まったように虚しい日々
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前後の文章を含んだ引用
......ような楽しいこともあるに違いない。光が降れば。朝が来れば。 いつもいつもそう思って歯を食いしばったが、立ち上がって川原の景色に行く力のない今は、ただ苦しかった。じりじりと砂をかむような時間がゆく。私は川原に今行けば、本当に等がさっきの夢のように立っている気さえした。気が狂いそうだった。腐りそうだった。 私はのろのろと起き上がり、お茶を飲もうと台所へ歩いた......
単語の意味
砂を噛む(すなをかむ)
砂(すな)
砂を噛む・・・まったく面白くない、という意味のたとえ。つまらない。味気ない。ニラを噛む。
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
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じりじりと砂をかむような時間がゆく。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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