日本語表現インフォ > 比喩表現の一覧 > 食べ物の比喩 > 果物(フルーツ)の比喩表現
果物(フルーツ)の比喩を使った文章の一覧(41件)
まるで小さな動物みたいな膨み方をするんです
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
頬のようにほのかに赤らみ、腭(はぐき)のようにふくらかにくびれた水蜜
中勘助 / 銀の匙
ひとつなぎに剥きあげた果物の皮を蠅取り紙のように垂らす
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
熟れた果実の重々しい香気が、噴煙のように沸き起こる
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
舌が焼けるようなできたてのグレープフルーツジャム
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
鍋の底で、怯えるように微かに震えているジャム
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
苺の花がこぼれたように咲いている。白い小さな花で、おまけに地べたにこびりついて咲くので、どうかすると脚に踏まれそうだ。女にも娘のうちは、内気で、きゃしゃで、一向目にも立だなかったのが、人の妻となって、子供でも産むと、急にはしゃいで、おしゃべりな肥大婦になり、どうかすると亭主の頭に手をやりかねないようになるのがあるものだ。苺もそれで、花のうちはあんなにつつましいが、一度実を結ぶと、だんだん肥えて赤ら顔になり、よそ事ながら気恥かしくなるほど尻も大きく張って来るものだ。その苺もやがて紅く熟して来る。
薄田 泣菫 / 艸木虫魚 amazon
ドリアンを船のへさきに置いて夜釣りに出かけると、南シナ海の、太古の闇の、ねっとりとした蒸暑さの中に、あの芳烈な香りが馥(ふく)いくと立ってきて、ちょうどいい女が裸でへさきに坐っているかのような気分にとらわれたりしたものである。
開高 健 / 小説家のメニュー amazon
熟れた果実の重々しい香気が……噴煙のように湧き起る。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
朱塗りの小燭台のような、(柘榴の花の)堅い萼(がく)
外村 繁 / 澪標「澪標・落日の光景 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
葉の色とたいして違いのない青柿の多い時分なのに、たまにあかあかと提灯を吊ったような実が目につくことがある。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
大木に灯がともったように柿が色づいている。
丹羽 文雄 / 顔 amazon
荒れた狭い庭の柿の木には霜を置いたような小粒な渋柿がいくつか実っていた。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
蔓を糸でつないで、首にかけると桜桃は、珊瑚の首飾りのように見えるだろう。
太宰 治 / 桜桃 amazon
夏みかんは、午後の陽をあびて、黄色い小さな提灯を沢山ともしているようにも見えた。
椎名 誠 / ハーケンと夏みかん amazon
匂いがどこかの誰かの愛人の匂いのように物柔かで香気があって
横光 利一 / 無礼な街「定本横光利一全集 (第1巻)」に収録 amazon
頬っぺたに水のこぼれるような枇杷が食べてみたい。
林 芙美子 / 松葉牡丹「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
麓の蜜柑畑が更紗の模様のようである。
鈴木 三重吉 / 千鳥 amazon
水蜜、青リンゴ、メロン、西瓜と、一時の軍需工場を見るように、やさしい弾丸の列が、色とりどりに並んださまは、新鮮そのものの美しさだ。
永井竜男 / 風ふたたび「永井龍男全集 5 長篇小説 1」に収録 amazon
寒中のくだもの屋にたった一箱、ほんの六粒か七粒宝石のようにならんだ苺
森田 たま / もめん随筆 amazon
干しぶどうの残りが見つかった。製造年月日を見ると二年くらい前で、ミイラの目玉のようにひからびていた。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
金色の産毛の生えた赤ん坊の肌のように擦れて傷のつきやすい桃
阿部昭 / 桃 amazon
どろりとしたとろが、ドリアンの本来の味で、それは微かにコーヒーを混ぜた上質のソフトクリームに似ている
有吉佐和子 / 作家の自伝 109(熱帯の果物) amazon
その他の食べ物のおいしさを表す比喩表現
比喩表現のカテゴリ