雑木林から滝のように 蟬 の声が聞えて
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:50% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
蝉(せみ)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......でやさしく彼の心を流れていった。九日目になって、急に外に引き出された。長い間、光線のさしこまぬ牢獄の中にいたため陽の光がくぼんだ眼に、鋭い刃のように突きささる。雑木林から滝のように蟬の声が聞えて番小屋のうしろに咲いている赤い花が眼にしみた。浮浪者のように髪も髭も伸び、尻の肉も落ち腕が針金のように細くなったのに今更のように気がついた。取調べを受けに行くの......
単語の意味
雑木(ぞうき)
蝉・蟬(せみ)
雑木・・・いろいろな木々。炭や薪にする以外使えない木の総称。
蝉・蟬・・・1.セミ科の昆虫を総称。夏に鳴く虫の代表。羽を畳んで木に止まり、雄は高い声で鳴きたてる。幼虫は数年かかって成虫になるが、成虫の寿命は10日から20日と短い。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
ここに意味を表示
蝉(せみ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
しいんしいんと蝉が鳴きたてている。
林芙美子 / 新版 放浪記
遠い林の中でニイニイ蝉が痺れるような声で鳴いている。
古井 由吉 / 谷「川端康成文学賞全作品〈2〉」に収録 amazon
あぶら蝉 、みんみん蝉、日光山がジイ――ッと啼いているようだ。
吉川英治 / 無宿人国記
このカテゴリを全部見る
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
(羽を休めている蝶は)黒と黄の 精緻 な 縞模様を風になぶらせている。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
一枚の朽ち葉みたいになった蛾の死骸
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
秋風が来ると、その(娥の)翅は薄紙のようにひらひらと揺れた。
川端 康成 / 雪国 amazon
蝉がジンヤジンヤと啼 きたてている。
林芙美子 / 新版 放浪記
油蝉が油を煮るように喧しくなき出した。
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
昆虫・虫 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ