葡萄糖を両手にかかえてネズミのように 齧っている。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:36% 作品を確認(amazon)
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食べる
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前後の文章を含んだ引用
......人は気分の悪か、と言いよります」 勝呂はがらんとした大部屋に出かけた。布団が散乱していて、おばはんが独りだけベッドの上にだらしなく坐っていた。こちらに背をむけて葡萄糖を両手にかかえてネズミのように齧っている。その卑屈な姿や黄色い乱れた髪をみると勝呂は言いようのない、あさましさを感じた。「なぜ来ん」「へえー」おばはんは両手で口を押えたまま返事をしなかった。「来いと言う......
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食べるの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
大きい肉にとりついて、口を動かしている。いつもより紅の濃い幹子の唇は脂でぬめぬめと光り、そこだけ別の生きもののように、肉をくわえ、脂を口の奥へ送り込んでゆく。
向田邦子 / 三枚肉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
夜空を見ながら、庭で一人食事していると、心が安らかになる。《…略…》わたしは大きな口を開けてシチューと一緒に夜の闇を飲み込む。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
蚕が桑の葉を噛むのに等しい単調な咀嚼
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
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年に似合わぬ 蓮葉 なお辞儀
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
(コンサートの)録音された拍手を長く聞いていると、そのうちに拍手に聞こえなくなる。終わりのない火星の砂嵐に耳を澄ませているみたいな気持ちになる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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