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庭の陸舟松は、積った雪をまばゆくかがやかせているので、それがまるで折り畳んだ真新らしい帆のようであった。
三島 由紀夫 / 金閣寺 作品を確認(amazon)
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雪景色・銀世界
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(何十年ぶりかの大雪)ひとときも止む気配がなく、だんだんに勢いが激しくなって、夕方には空も空気も風も雪に埋まった。その日から、雪国に迷い込んだような毎日が続いた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
夢の中にでもいるように、雪明かりが物の形を朧げに浮かび上がらせる
福永 武彦 / 風のかたみ amazon
じさまもばさまも餓鬼(女の子)も野郎っ子(男の子)も狩り出され、降りしきる雪の中で墨絵のように動きまわっている。
森 敦 / 月山「月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)」に収録 amazon
空気はきりっとして澄み渡り、街角のいたるところに蟻塚のようにつみあげられ、排気ガスで灰色に染まった雪も、夜の街の光の下では清潔で、幻想的にさえ見えた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
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溶け残った汚れた雪が岩のように固く凍りついている
北 杜夫 / 谿間にて「新潮日本文学 61 北杜夫集―楡家の人びと・他」に収録 amazon
小降りになったり 烈しく吹きつのったりしながら、雪はいっこうにやむ気配を見せなかった。道行く人はみな 外套 を白く染め、身を 屈めて急いでいた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
景色は雪のために美しくはなく陰惨にみえた。街の風景の傷口をかくしている薄汚れた繃帯(ほうたい)のようにそれがみえた。
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
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