つきあっていた人と別れて、泣かなかったけれど、夕方の帰り道が真っ暗に見えたこと。今なら、電話すればまた会えるけど、それは無駄だけれど、そうしたくて、道がどんどん夜に侵されていって、苦しかった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:76% 作品を確認(amazon)
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失恋・恋人と別れる
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......し捨て猫を見てしまって、拾えないから見ない振りをして、夜中までその鳴き声が耳から抜けなかったこと。誰かが転校して、翌日に知らない子がその机にすわっちゃったとき。つきあっていた人と別れて、泣かなかったけれど、夕方の帰り道が真っ暗に見えたこと。今なら、電話すればまた会えるけど、それは無駄だけれど、そうしたくて、道がどんどん夜に侵されていって、苦しかった。 そんなことばかり思い出した。 ああ、はやく竜一郎の部屋に行こう。私は思った。あのなにもない暖かいところ。いつも等しく明るい部屋の中で待っている彼のところに。「......
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その恋愛は、私との愛情がまだ終りをつげないうちにほろんで亡くなってしまいました。
林芙美子 / 新版 放浪記
私は汽車の窓から、ほんとうに冷たい握手をした。
林芙美子 / 新版 放浪記
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さっきまで痛々しいような小さな身体に、私を押し入れていたのに。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
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