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暗闇に目が慣れてくると、部屋の隅のほうに何かの暗い輪郭がじわりと浮かび上がった。戸口の近くのクローゼットの陰、闇がもっとも深く 蝟集 しているあたりだ。 それ は背が低く、ずんぐりと丸まった何かだった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:51% 作品を確認(amazon)
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明るさ、暗闇に目が慣れる
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前後の文章を含んだ引用
......女は手をのばし、音を立てないように窓のカーテンを数センチ引いた。淡い水のように月光が部屋の中に忍び込んできた。ミュウは目だけを動かして、部屋の様子をさぐった。 暗闇に目が慣れてくると、部屋の隅のほうに何かの暗い輪郭がじわりと浮かび上がった。戸口の近くのクローゼットの陰、闇がもっとも深く蝟集しているあたりだ。それは背が低く、ずんぐりと丸まった何かだった。置き忘れられた大きな郵便袋のようにも見える。あるいは動物かもしれない。大きな犬? でも玄関には鍵がかけてあるし、部屋のドアも閉めておいた。犬が勝手に部屋の中に入......
単語の意味
ずんぐり
蝟集(いしゅう)
背(せ)
暗闇(くらやみ)
ずんぐり・・・背が低くていっそう太って見えるさま。太くて短いさま。
蝟集・・・(「蝟」はハリネズミのこと)ハリネズミの毛のように、四方八方から多くのものが一時に集まること。「やじ馬が蝟集する」
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遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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