少女は決して 饒舌 ではなかったが、老駅長の語る思い出話を、いちいち感動をこめて聞くのだった。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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聞き上手
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......なって、俺をなぐさめているんじゃなかろうかと、乙松は考えた。 その日、幌舞は時も場所もわからぬほどの吹雪になった。 古い駅舎は、音も光もない純白に埋ずもれた。 少女は決して饒舌ではなかったが、老駅長の語る思い出話を、いちいち感動をこめて聞くのだった。自分でもどうかしていると思いながら、乙松は半世紀分の愚痴や自慢を、思いつくはしから口にした。 それらは古ぼけた制服の胸ふかく、たとえば機関車の油煙の匂いや炭ガラ......
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少女は決して 饒舌 ではなかったが、老駅長の語る思い出話を、いちいち感動をこめて聞くのだった。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
それはまったくのところ、労多くして得るところの少ない作業であった。今にして思うに、もしその年に「他人の話を熱心に聞く世界コンクール」が開かれていたら、僕は文句なしにチャンピオンに選ばれていたことだろう。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
お隣の様子が嫌でも目に入っちゃうじゃないですか」 「そりゃ、当然でしょう」 辰川が真剣にうなずくと、誘われたように主婦が続けた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
受け止めてくれる。どんな言葉でも、たわいない話でも本気で耳をそばだててくれる。しゃべり者冥利につきるではないか。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
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伸子は何か云おうとして口を開きかけたが、そのまま黙って息を吸い込んだ。
宮本百合子 / 伸子
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