親指のない淫売婦

客待ちの娼婦

金と引き換えに男に体を売る

彼女は片方の手を腰に当て、もう片方の手で細巻の煙草をつまんでいた。それは淫売宿の粋な女主人といった感じで、シンイチを圧倒した。

行きずりのセックスの相手を探す

声を枯らして客を呼び込む

ホットケーキみたいに作るそばからどんどん売れている。

羽が生えたように売れる

金と引き換えに男に体を売る

お宝を惜し気のなく売り飛ばす

老僧の、枯れ木のように無抵抗な姿

坑夫達の汗は水ではなくて、もう黒い飴（あめ）のようであった。

近くの駅から出てきた仕事帰りの人たちが、大勢ふみきりが開くのを待っていました。彼らといっしょに並びながら、私は自分ひとりだけにせもののような気がしていました。私以外の人たちは今日という日をついさっきまで働いて過ごし、疲れているのに、私は今日という日をいま始めたばっかりで、しかもこれからも働く予定はないのです。にせものだってばれないかが不安で、周りを見回してしまいます。まっとうな一日を過ごした彼らと一日中なにもしなかったぐうたらな私とでは、多分夕陽の見え方も違うのでしょう。

礼儀を重んじ、弟子が独立すると、以後は必ず敬語で話すようになる

警察に連れていかれると、完全な取り調べ状態に置かれてしまうんです。狭い部屋で一日中、刑事さんと向かい合って、同じことを繰り返し訊かれるわけです。かなり高圧的な感じで、叱りつけるように訊いてきます。こちらも一生懸命話すんですが、それが相手にまったく通じない。頭から犯人と決めつけていて、まったく分かってくれない。コミュニケーションが成立しないんです。そんな時間が延々と続く。これが本当に苦しいんです。食事の時間を除いて、朝から晩まで続くわけです。

目が飛び出るほど高い

（札束）紙帯で巻かれた新札の束は札というよりはトランプのカードみたいに見えた。

「燃料が無くなっても、飛行機っていうのはしばらくは惰性で飛ぶらしいですね」 　殿村がいった。「いまの佃製作所が、まさにそうです。融資という燃料が切れて、後は飛べるところまで飛ぶ。それが一年です」 「その間に新たな給油地を見つけないとマズいってわけだ」

戦略的な価格設定

小切手を会計へ渡すと同時に、粐（ほ）ッとはしたが、青い鳥が逃げてしまったような、淋しい気持ちだった。