真っ黒な空には星が見当たらず、残暑の余韻の籠もった蒸し暑い夜気の中に、虫の音が響いている。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 ページ位置:64% 作品を確認(amazon)
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夏の夜
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前後の文章を含んだ引用
......らに調べを進めるべきだと私は確信します」 大きくうなずく重藤を、間島は見つめた。 7 三島署の玄関を出ると、庄司は裏手の駐車場へ急ぎ足で向かった。 真っ黒な空には星が見当たらず、残暑の余韻の籠もった蒸し暑い夜気の中に、虫の音が響いている。肩や足腰に、重い疲れが溜まっていた。しかし、それ以上に、胸の裡にやり場のない苛立ちがあって、一刻も早くこの場から離れたかった。「庄司さん」 いきなり背後から声が......
単語の意味
夜気(やき)
籠もる・隠る・篭る・籠る(こもる)
残暑(ざんしょ)
余韻・余韵(よいん)
夜気・・・1.夜の冷えた空気。
2.夜の静かな雰囲気や気配。
2.夜の静かな雰囲気や気配。
残暑・・・立秋が過ぎても残る暑さ。
余韻・余韵・・・1.余(あま)った韻(いん[=似たような響き])。余った音。鐘をついた後などにある、音が鳴り終わった後にも残っている響き。「韻」と「韵」はどちらも訓読みで「ひび(き)」と読め、「音」を意味する字。「余音」とも書く。余響(よきょう)。
2.1が転じて、事が終わったあとも残る風情や味わい。また、詩文などで言葉で直接あらわされていない趣(おもむき)。余情(よじょう)。
2.1が転じて、事が終わったあとも残る風情や味わい。また、詩文などで言葉で直接あらわされていない趣(おもむき)。余情(よじょう)。
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日中の太陽の放射する炎熱を吸い込んだ山の肌は、夜になってほてりをはきだし
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
庇(ひさし)の間から見える無数の星までも蒸されるように暑い
山崎 豊子 / 暖簾 amazon
(夏の夕方)日が傾きだしても、暑さが和らぐ気配はない。昼間、太陽を浴びた木々の葉が体温を発散しているからだろうか、開け放した窓から入ってくるのは風ではなく、熱気ばかりだ。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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シュワシュワと独特の音をたてて、色とりどりの火花が染子の墓石の上に落ちる。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
薄い硝子 の玉に、銀のメッキをした(風鈴)
林芙美子 / 新版 放浪記
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