寒さと動揺で、電話を持つ手も声も震える。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:67% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
心が乱れる・動揺する
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......て、ただ、すごく微妙で複雑なことなので、ほんとうに、自分でも考えすぎかもしれないとは思うんですけど、やっぱり、どうしても、もし彼が、く、黒崎さんみたいに……」 寒さと動揺で、電話を持つ手も声も震える。それなのに背中や脇の下はじっとりと汗に湿っている。「もしもし、なんだかよくわからないけど、落ち着いてください。あなた、もしかして、俊一がいなくなったことを聞いて......
ここに意味を表示
心が乱れる・動揺するの表現・描写・類語(心が乱れるのカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「心が乱れる」カテゴリからランダム5
規矩男の心は何か焦々と分裂して竦 って居り、何か分析的にかの女に突っかかるものがあった。
岡本かの子 / 母子叙情
七尾は、自分の視界が狭くなるのが分かった。焦りのため、鼓動が早鐘を打ちはじめる。息が上がり、えもいわれぬ不安で胸が締め付けられる。頭を振った。どうする、どうする、と頭の中に囁き声が充満する。思考が、氾濫した水で押し流される。渦を巻き、思い浮かべた言葉や感情を、洗濯でもするかのようにごちゃまぜにする。七尾はその、焦燥感の洪水に身を任せた。激流が頭を搔き回す。もちろんほんのわずかな時間に過ぎず、たとえば、まばたきを数回するほどの間だったが、その奔流が止んだ途端、気持ちが切り替わった。頭の中の濁りが消え、思考や逡巡もなく、体が動く。先ほどとは打って変わり、視界が広くなる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
同じカテゴリの表現一覧
心が乱れる の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ