TOP > 人物表現 > 心の交流・意思の疎通 > 狼煙(のろし)
煙は細く高く、誇らかに騰って、空の風と 戯れるように、揺れて 靡いて流れていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:9% 作品を確認(amazon)
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狼煙(のろし)
けむり
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前後の文章を含んだ引用
......ったが、丘の上の野火は少し昇ると、空の高い所だけに吹く風を示して倒れ、先は箒のようにかすれていた。麓の煙が空気の重さと争うように、早く勢込めて騰るのに対し、丘の煙は細く高く、誇らかに騰って、空の風と戯れるように、揺れて靡いて流れていた。この気象学的常識に反した、異なる形の煙の一つの風景の中の共存は、奇妙な感覚を与えた。 丘の煙は恐らく牧草を焼く火であろうが、我々の所謂「狼煙」にかなり似ていた。......
単語の意味
靡く(なびく)
靡く・・・1.草や藻、布などの長くて軟らかいものが、水や風の流に従って横に動く。
2.権力者の意思や命令に従う。また、女性が男性の言うことを受け入れる。
2.権力者の意思や命令に従う。また、女性が男性の言うことを受け入れる。
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狼煙(のろし)の表現・描写・類語(心の交流・意思の疎通のカテゴリ)の一覧 ランダム5
音は聞こえずに烽火 の火花は間を置いて怪火のようにはるかの空にぱっと咲いてはすぐ散って行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
ときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙 のようなものが、かわるがわるきれいな桔梗 いろのそらにうちあげられるのでした。じつにそのすきとおった奇麗 な風は、ばらのにおいでいっぱいでした。
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
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煙の頂きは高く昇ってうっすらと夕べの雲に紛れ、東の空に薄(すすき)の穂のようにたなびいた。
福永 武彦 / 廃市/飛ぶ男 amazon
煙が松の木の間を、靄のようになびいて昇る
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
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真赤な火柱が竜のように立ち昇りました。
島尾 敏雄 / 島の果て amazon
むくむくと透視のきかない煙幕が盛り上がる
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
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