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昼過ぎに起きて街中を目的もなく歩きまわり、ようやく気持ちが乗ってきたらなにかを書くが、気持ちが乗らなければなんにもしない生活を続けていた。《…略…》夕方頃に起きて、することのない言い訳のように散歩して、演劇のことだけをひたすら考えて、ほとんど何も思いつかないまま部屋に戻る。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 ページ位置:42% 作品を確認(amazon)
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だらだら暮らす
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前後の文章を含んだ引用
......トの残り香が部屋に充満していた。その姿と部屋の使い方は、そのままいつもの自分の姿でもあった。僕は創作活動という不確かな大義名分を立て、沙希と自分自身をあざむき、昼過ぎに起きて街中を目的もなく歩きまわり、ようやく気持ちが乗ってきたらなにかを書くが、気持ちが乗らなければなんにもしない生活を続けていた。「俺もやらせて」 手元でコントローラーを器用に動かす沙希の隣に座る。「いいよー」 沙希は一瞬で僕を負かしてしまう。なにをされたのかも、ほとんどわからなかった。数......<中略>......家の光熱費払う人いないよね。うけるー」 そう笑っていたが、当然ながら沙希が納得しているとは思えなかった。 沙希が朝から働くようになっても、僕の生活は変わらない。夕方頃に起きて、することのない言い訳のように散歩して、演劇のことだけをひたすら考えて、ほとんど何も思いつかないまま部屋に戻る。 アパートに帰ると、沙希は「おかえりー」と明るく出迎えてくれる。必要以上に疲れたふりをして風呂に入る。湯船に浸かりながら天井からポタポタ垂れるしずくを眺めている......
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だらだら暮らすの表現・描写・類語(暮らし・生活のカテゴリ)の一覧 ランダム5
一日を無為にすごすという思いが、彼の心を堪え難いものにした。そして夕暮の気配が部屋の窓や机の上の書物に影をつけ始めると、深い悲しみというような一種の落着きさえもない、価値などに全く関係のない焦躁に貫かれて、いつものように永杉英作のアパートに足を向けた。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
借りてきた映画を観ることだけで暮らしていた日々のあの生温かい停滞のなかへ、もう一度もどりたい
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「暮らし・生活」カテゴリからランダム5
働き死にをしに生れて来たようで、厭 になる
林芙美子 / 新版 放浪記
そこには、ベッドの中で寝そべり、セックスをむさぼるだけで、暖かいスープを煮る根気もなく、部屋の掃除にも興味を抱くことのできぬ巨大な肉塊がころがっているだけ
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
同じ部屋で芋を洗うように生活する
石川 達三 / 花のない季節 amazon
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