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(仕事で)ホテルのカウンターで毎日毎日働いて人生を無駄に磨り減らしていくだけ。《…略…》時々ホテルに飲み込まれちゃうような気がする(。略)境界線が見えなくなっちゃうの。私という存在やら感覚やら私生活やらがホテルという宇宙の中にひきずりこまれて消えちゃうの。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) 作品を確認(amazon)
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冴えない、ぱっとしない人生
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枯木のごとく、死灰のごとく、犬のごとく、てんとう虫のごとく暮したなら、生は無駄であろう。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
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今はこれでいい気がする。でも同じところをぐるぐるまわっているようにも思える。《…略…》ときどきこうした迷路に入ると何もかもが遠く外側のことに思えて実感や喜びや苦痛が失われる。 私の悲しみも、私の美学も、箱庭の中で展開するだけだ。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(新生活)このしみひとつない真新しい部屋にいると、自分が記憶と個性を剥奪された匿名の人間になったような気がした。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
(家族を捨てて)私の人生は実際には十歳から開始したのだ。それより前のことはすべて惨めな夢のようなものに過ぎない。そんな記憶はどこかに捨て去ってしまおう。しかしどれだけ努力しても、ことあるごとに彼女の心はその惨めな夢の世界に引き戻された。自分が手にしているもののほとんどは、その暗い土壌に根を下ろし、そこから養分を得ているみたいに思えた。どれほど遠いところに行こうと試みても、結局はここに戻ってこなくてはならないのだ、と青豆は思った。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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