病院に着いたときにはもう、和弥さんは遠いところに行っていました。傷付き、冷たくなったからだにしがみつき、名前を呼び続けても、返事はなく、手を握り返してくれることもなく、ただ、抜け殻がそこにあるだけでした。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 ページ位置:82% 作品を確認(amazon)
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死に方・死に様
事故死・突然死
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......幾度こいでも、行きたい場所には辿り着けず、同じところでもがき続けているだけのように思えます。 私はただ、和弥さんに会いたいだけなのに。 森山清志くんに連れられて病院に着いたときにはもう、和弥さんは遠いところに行っていました。傷付き、冷たくなったからだにしがみつき、名前を呼び続けても、返事はなく、手を握り返してくれることもなく、ただ、抜け殻がそこにあるだけでした。それでも、一緒にいたかったのに、警察に呼ばれ、陽介さんが証言したという和弥さんの最期を聞かされることになりました。 美術館の建設予定地である雨降り渓谷を訪れたの......
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死に方・死に様の表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
人間が犬のごとくに死んでいる
坂口 安吾 / 白痴 amazon
全身膾(なます)の如くに切り刻まれて、死ぬ
中島 敦 / 弟子 amazon
花の散るがごとく、葉の落つるがごとく、わたくしには親しかったかの人々は一人一人相ついで逝ってしまった。
永井 荷風 / ぼく東綺譚 amazon
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やり残したことの多い、あまりに唐突な死だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
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いつか必ず、誰もが時の闇の中へちりぢりになって消えていってしまう。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
人は皆、死の影の谷を歩いている
福永 武彦 / 草の花 amazon
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