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高く低く唸っている愚鈍な鼾
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:79% 作品を確認(amazon)
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イビキ・寝息
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前後の文章を含んだ引用
......。 おや、鼾がまた聞えはじめた。まるでそれは風車が風で廻っているようだ。尿でぬれた床に尻をおろし、司祭は馬鹿のように嗤った。人間とは何とふしぎなものだろう。あの高く低く唸っている愚鈍な鼾、無知な者は死の恐怖を感じない。ああして豚のようによく眠り、大きな口をあけて鼾をかくことができる。眠りこけている番人の顔が眼に見えるようである。それは酒やけがし......
単語の意味
愚鈍(ぐどん)
鼾(いびき)
愚鈍・・・頭の回転が遅くて何をやらせても反応や行動が遅いこと。また、そのさま。
鼾・・・寝ているときに呼吸とともに鼻や口から出る、うるさい音。
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唇は開いたまま、時々樋(とい)に水の溜るようないびきをあげている。
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