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失踪。酒田の口から漏れたその言葉が、いつまでも奇怪な異物のように宙に浮いている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:49% 作品を確認(amazon)
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......涙が溢れた。そのままベッドに倒れ込んで、声をあげて泣いているうちに、いつのまにか眠りに落ちて陣治の夢を見た――。 習慣化した動作でコーヒーを淹れ、パンを焼く。 失踪。酒田の口から漏れたその言葉が、いつまでも奇怪な異物のように宙に浮いている。いったいどうしたのか? 黒崎はほんとうに失踪したのか? つまりいなくなってしまったというのか? なぜなのか? 今どこにいるのか? いったいどうしたのか? 黒崎は......
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