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特殊なかたちをした記憶の壺の底を探るように、指先でテーブルを丸く撫でた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:2% 作品を確認(amazon)
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思い起こす・記憶をたどる
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前後の文章を含んだ引用
......。たしかにまあ、時代的には重なっているけど」「だからつまり、当時のその手の小説家のことを、そういう名前で呼んだんじゃなかったかしら?」とミュウは言った。そして、特殊なかたちをした記憶の壺の底を探るように、指先でテーブルを丸く撫でた。「スプートニク……?」「そういう、ブンガクの流れの名前。よくなんとか派ってあるでしょう。ほら、ちょうど〈白樺派〉みたいに」 すみれはそこでやっと思い当たった。「......
単語の意味
指先(ゆびさき)
指先・・・手や足の、指の先端。指の先っぽ。指頭(しとう)。指端(したん)。
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思い起こす・記憶をたどるの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるで自分の人生を、一つの風景として眺めさせられているかのような顔つき
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
(ここ数年の人生を振り返って紙に書き出す)文字にしてながめてみると不思議だった。 その紙をテーブルの上に置いておいたら、それはあたりまえだけれどテーブルの上の四角い白い単なる切れ端で、丸めて捨てても、飛んでいってしまっても何の意味もない。 なのにその紙が愛しく思えたり、そこにまるでマイクロフィルムのようにこの数年のめくるめく情報が満ちあふれては流れでて空間を染めていくように思える。 心は白紙を映像に変える。 私はその映像のなかをさまよっていつのまにか、ここにきた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
その時々のありさまが、写真にとって残しておいたようにこまごまと思い出されてくる
森田 たま / もめん随筆 amazon
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回想する度に、雑然と小山になったトランプの中から目当ての一枚を手探りするように、思い出そうとするまさにその光景だけでなく、その周辺的な断片ともしばらく戯れることになった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
単語も数式も地名も古語も、みんな頭の中を素通りしていく。あたしの中に何も残さない。それを力ずくでせき止めて、記憶しようとする。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
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