みるみる線路も、その向こう側にある石垣も畑の土も、濡れて色が変わろうとしていた。小屋は一段と黒ずんで見えた。
小川 洋子 / 盲腸線の秘密「口笛の上手な白雪姫」に収録 ページ位置:83% 作品を確認(amazon)
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雨の景色、視界
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前後の文章を含んだ引用
......もまた、掌にありありと残るウサギの毛の感触の中へ、吸い込まれてゆくばかりだった。 いつの間にか雨が降りだしていた。二人はホームに立ち、電車が来るのを待っていた。みるみる線路も、その向こう側にある石垣も畑の土も、濡れて色が変わろうとしていた。小屋は一段と黒ずんで見えた。 ホームの片側の端はコンクリートで固められ、行き止まりになり、線路もそこで途切れていた。反対方向に目をやれば、もちろん線路は彼らが帰るべき駅に向かってのびていた......
単語の意味
土(つち)
土・・・岩石と有機物が混じって細かい粉末状になったもの。有機物は、生物の死骸およびその腐敗物、微生物などから構成されている。砂(有機物が含まれない)とは違い、植物が育ちやすい。
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泥だらけの道には人影もありません。こんな道を見ていますと私はなぜか、人生を思い、悲しくなります。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
日本アルプスの谿々(たにだに)の雪は、ここから白壁を望むように見える。
島崎 藤村 / 千曲川のスケッチ amazon
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街灯の光の届く所だけに白く光って斜めに雨のそそぐのがほのかに見え
有島武郎 / 或る女
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