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稲荷の祠 も垣根も雪に隈取 られ、ふだんの紅殻 いろは、河岸の黒まった倉庫に対し、緋縅 しの鎧 が投出されたような、鮮やかな一堆 に見える。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:33% 作品を確認(青空文庫)
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はっきり見える・浮かび上がって見える
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前後の文章を含んだ引用
......ひたと湛 えた向河岸の石垣の際に、こんもりと雪の積もった処々を引っ掻 いて木肌の出た筏 が乗り捨ててあり、乗手と見える蓑笠 の人間が、稲荷 の垣根の近くで焚火をしている。稲荷の祠 も垣根も雪に隈取 られ、ふだんの紅殻 いろは、河岸の黒まった倉庫に対し、緋縅 しの鎧 が投出されたような、鮮やかな一堆 に見える。河川通のこの家の娘は、この亀島川は一日の通船数が三百以上もあり、泊り船は六十以上で、これを一町に割当てるとほぼ十艘ずつになると云ったが、今日はそういう河容とは、......
単語の意味
隈取る(くまどる)
弁柄・紅殻(べんがら)
隈取る・・・1.ぼやけた境界線を書く。絵で遠近などを表すために、境目をぼかす。
2.影や色の濃淡で境目をつける。歌舞伎俳優が表情を誇張するために、顔に線をかく。
2.影や色の濃淡で境目をつける。歌舞伎俳優が表情を誇張するために、顔に線をかく。
弁柄・紅殻・・・1.黄土を焼いて作る赤い顔料。インドのベンガル地方で産出したのが名前の由来。
2.1の色で、弁柄色・紅殻色(べんがらいろ)の略。赤が強めの茶色。
3.ベンガラ縞(じま)の略。縦糸が絹、横糸が木綿の、縞の織物。
2.1の色で、弁柄色・紅殻色(べんがらいろ)の略。赤が強めの茶色。
3.ベンガラ縞(じま)の略。縦糸が絹、横糸が木綿の、縞の織物。
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輪郭をはっきりあらわす
梶井基次郎 / 橡の花
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窓にはこんなふうに向こうが見えないくらいに水滴がいっぱいついてた。その向こうに線路 脇 のフェンスの緑の金網があって、さらにその向こうにやっと、桜の桃色があった。いちめんに。ぼやけた2重のフィルターを通して初めて気づいた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
近視の眼を細くして見ていた。
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