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(赤んぼうの生まれた家。家は)なまぬくいお櫃の蓋を取ったときのような、 饐えた匂いがする。赤子のおむつのせいか乳の匂いなのか。
向田邦子 / 男眉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 ページ位置:19% 作品を確認(amazon)
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子供が生まれる・産声
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前後の文章を含んだ引用
......つあるわけないじゃないか。 そう思い出すと急に魚臭い。気のせいか、母が妹を産んでから、うちの匂いが変ってきた。今までは、古いうち特有の、鰹節の匂いだけだったが、なまぬくいお櫃の蓋を取ったときのような、饐えた匂いがする。赤子のおむつのせいか乳の匂いなのか。麻は父の刻みたばこの匂いを嗅ぎたいと思ったが、父は当時夢中になっていた麻雀で家をあけていた。父の出先は「テンホウ」というところらしかった。祖母や母はこの名前を口......
単語の意味
饐える(すえる)
饐える・・・食べ物が腐って、すっぱくなる。
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子ども産むのってすごく痛いんだって。スイカを鼻の孔から出しながら、腰を金づちで殴られるくらい苦しいらしいよ。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
(陣痛)陣痛の予感がある。それは宿命的な列車のように予定の時刻を違えることなく駅に近づいてくる。彼女はレールの微かな震えを聴き取る。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
(新生児)赤ん坊は握り締めていた手を開き、またぎこちなく指を折り畳んだ。爪は理不尽なほどに小さく、青黒く変色していた。私の粘膜を引っ搔いた血が、爪の間で固まって濁っているのだった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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