既に忘れかけていた腐臭のする記憶
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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心の傷・トラウマ
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前後の文章を含んだ引用
......、ぼおっと恨みのこもったようすで彼女の枕元に立つそうだ。彼女はそれを少しも恐ろしいとは思わなかったが、嫌いなものが目の前にあるだけで拒絶反応を起こす性質である。既に忘れかけていた腐臭のする記憶をまざまざと思い起こして、悪寒が体じゅうを走り抜けるのと同時に発熱したと言う。 サユリはコバヤシの許を嫌悪した瞬間に去っていたため、彼のその後の消息を知らなかっ......
単語の意味
腐臭(ふしゅう)
腐臭・・・ものが腐ったときに発するにおい。腐ったような嫌なにおい。腐敗したにおい。
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心の傷・トラウマの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
でも生きていれば、ハンデがあっても 旨いものを食ったり、天気のいい日にいい気分になったりできる。すくなくとも。大したことじゃないけど。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(昔の男に電話をかける)いつかかけてしまうかもしれないと恐れ続けてきた電話を、八年たった今日かける。 最後の数字を押す。指先で過去に触れる。十和子の過去のすべてである男に触れる。呼び出し音が鳴っている。一回、二回……。鳴っている、黒崎の身体のすぐそばで。三回……、四回、……五回。胸が締めつけられる。今にも電話をつかもうとする黒崎の手が見える。指の長い滑らかな手。そのとき急に、十和子の腹の奥底から目の 眩むようなものが 迫り上がってくる。光が真っ白に弾けて、手のなかの電話機が生き物のようにうごめく。怖い。どうしてだろう、黒崎俊一が怖い!
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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そのことについて僕は溶鉱炉のふたにも似た頑丈で確実な記憶を有している。
村上春樹 / ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
彼は、記憶の絵巻を、昨日 から少年のころまで、逆に、繰返してみた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
記憶を歳月という風雪が埋めつくす
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
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