TOP > 感覚表現 > 時間・スピード > 時間が解決してくれる
それらは 皆 その男にとって今は純然たる過去の出来事で、その苦しかった記憶も今は段々薄らぎ 遠 退きつつあるに違いない。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:40% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
時間が解決してくれる
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......気楽に落ちついて見えた。それはそういう男でも或る時、過去の記憶で心を曇らす事はあるだろう。殺された自身の初児、こんな事を憶い出す事もあるだろう。が、それにしろ、それらは皆その男にとって今は純然たる過去の出来事で、その苦しかった記憶も今は段々薄らぎ遠退きつつあるに違いない。ところが、栄花の場合、それは同じく過去の出来事ではあるが、それは現在の生活と未だ少しも切り離されていないのは、どうした事か。今の生活は寧ろその出来事からの続きで......
単語の意味
純然(じゅんぜん)
薄ら(うすら)
純然・・・それ以外の何ものでもないさま。混じりけのないさま。「然」は他の語の後ろに付いて、状態をあらわす字。
薄ら・・・ほんの少し。かすか。
ここに意味を表示
時間が解決してくれるの表現・描写・類語(時間・スピードのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(心の傷がまだ癒えない)友子にまつわる 全てのことが自分の中でまだ生キズだということを理解した。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「時間・スピード」カテゴリからランダム5
(電話の時報)時報を聞くのが僕は好きだった。そこはどこまでも果てしのない、何ものにも乱される恐れのない、安定した世界だった。たとえ僕がクシャミをしても、お姉さんは迷惑そうな様子さえ見せず、ひたすら時刻を知らせ続ける。一秒ごとに刻まれる歯車の船の 舳先 に立ち、次々と誕生する新たな時刻を、まっさらな海面に向かって宣告する。大変な重労働だと思われるのに、口調は滑らかだ。
小川 洋子 / 先回りローバ「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
スピードがさらに上がった。ぐん、と反動のついたような加速とともに
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
時間・スピード の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ