TOP > 感覚表現 > 時間・スピード > 時間が解決してくれる
彼は 浪 に捲き込まれた者が浪に身を任せ、その過ぎ去るのを待つような心持で、今は素直にされるままになっていた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
時間が解決してくれる
我慢・辛抱・耐える
身を任せる、委ねる
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ぬものが四方から被いかぶさって来る。そして今はそれを跳返すだけの力は、身中のどこにも潜んでいなかった。頭も胸も全で空虚だった。そういうものは浸み込み放題だった。彼は浪に捲き込まれた者が浪に身を任せ、その過ぎ去るのを待つような心持で、今は素直にされるままになっていた。それより仕方がないと考えた。 彼は低い窓障子を開けて、そこから外の景色を眺めた。石垣の上が暗い往来で、向う側に五六軒破風を並べて、倉庫がある。新地から宿屋へ呼ば......
単語の意味
浪(なみ・ろう)
浪・・・1.波。
2.波のように移ろって定まらない。行方が決まらずさまよう。「浪人」
2.波のように移ろって定まらない。行方が決まらずさまよう。「浪人」
ここに意味を表示
時間が解決してくれるの表現・描写・類語(時間・スピードのカテゴリ)の一覧 ランダム5
時間の流れに身を委ねていても、時折、波のように感傷が襲ってくる。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
それらは 皆 その男にとって今は純然たる過去の出来事で、その苦しかった記憶も今は段々薄らぎ 遠 退きつつあるに違いない。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
我慢・辛抱・耐えるの表現・描写・類語(我慢・諦めのカテゴリ)の一覧 ランダム5
幌がドーッと一陣風を孕むと、俥夫は梶棒に体全体の重量をかけ、しがみついて立ちよどむ。
宮本百合子 / 伸子
真白な両方の股(もも)を弓のように踏ん張った。
嘉村 礒多 / 業苦 amazon
このカテゴリを全部見る
身を任せる、委ねるの表現・描写・類語(判断のカテゴリ)の一覧 ランダム5
白雲の風に漂い、秋葉の空に飄(ひるがえ)るが如く、ぶらりぶらりする
幸田 露伴 / 幻談・観画談 他三篇 amazon
ゆき子は診察を受ける患者のように、富岡にされるままになっていた。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
このカテゴリを全部見る
「判断」カテゴリからランダム5
蒸しパンをトングでつまむ。それも、たった今たまごから孵ったばかりのひよこを扱うような慎重さで。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
わずかに顎をあげて微笑していたが、それには決意した人間がみせる妙な冷たさがあった。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
「我慢・諦め」カテゴリからランダム5
魔法が解けたみたいに、もう好きだと思えなくなった。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
感情以上に意志を働かして、それを 圧 えつけてしまう
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
「時間・スピード」カテゴリからランダム5
いつからかわからないぐらい昔から
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
ここから先は誰にとっても未知の領域だ。地図はない。次の角を曲がったところに何が待ち受けているか、曲がってみなくてはわからん。見当もつかない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
いつまで 経っても時間は進行せず終わりのない夜が続いた。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
判断 の表現の一覧
我慢・諦め の表現の一覧
我慢・諦めの感覚、精神的な反応
我慢・諦めの表情、リアクション
その他の我慢・諦めの表現
時間・スピード の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ