乳色の靄が風に次第に追い払われると、
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:47% 作品を確認(amazon)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......音がやみ、弱々しく答える声が聞えた。司祭はその声を何処かで聞いたような気がした。しかし、その弱々しい声を何処で聞いたのか思いだせなかった。 朝がた、大村に着く。乳色の靄が風に次第に追い払われると、陸地の一角に森にかこまれた城館の白い壁が疲れ果てた眼にうつる。城館はまだ建造中らしく、丸太を組んだ足場が残っていた。森の上を烏の群れが横切って飛んでいく。そして......
単語の意味
乳色(ちちいろ)
乳色・・・牛乳のような色。少し濁りのあるような白。乳白色。
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霧・かすみ・もやの表現・描写・類語(雨・霧のカテゴリ)の一覧 ランダム5
乳白色の闇が海辺をゆっくりと流れる。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
黄色いスープのような靄におおわれる
北 杜夫 / さびしい乞食 amazon
水底(みなそこ)のように初秋の夕霧が流れ渡る町々
水上 瀧太郎 / 山の手の子「俤 (百年文庫)」に収録 amazon
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「雨・霧」カテゴリからランダム5
灰をかぶるような激しい雨
林芙美子 / 新版 放浪記
雨がいつか本降りになって、廂(ひさし)に早瀬のような音を立てた。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
外に出たとたんに大粒の雨がばたばた落ちてきた。みるみるうちに地面が黒く染まってゆく。すごい雨だった。 あまり突然のことで駅の改札の所で人々ががやがや立ち止まり、人の流れがよどみはじめた。なんとなくパニック映画のようで面白かった。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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