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岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
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霧・かすみ・もや
朝
烏(カラス)
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前後の文章を含んだ引用
......。 七つ八つの金魚は静まり返って、藻や太藺 が風の狼藉の跡に踏みしだかれていた。耳に立つ音としては水の雫の滴 る音がするばかりで、他に何の異状もないように思われた。魯鈍 無情の鴉 の声が、道路傍の住家の屋根の上に明け方の薄霧 を綻 ばして過ぎた。 大溝の水は増したが、溢れるほどでもなく、ふだんのせせらぎはなみなみと充ちた水勢に大まかな流れとなって、かえって間が抜けていた。 「これなら、大したことはない」 ......
単語の意味
薄霧(うすぎり)
鴉・烏(からす)
薄霧・・・薄くかかった霧。
鴉・烏・・・カラス科カラス属およびそれに近縁の鳥の総称。人家近くの森に住む、雑食性の利口な鳥。雌雄ともに全身、光沢のある黒。日本では主に嘴太烏(ハシブトガラス)と嘴細烏(ハシボソガラス)の2種。古来より人との関わりが深く、熊野の神の使いとして知られ、また、その姿や鳴き声は不吉の象徴とされるなど、信仰や迷信が多い。
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朝の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
アパートの郵便受に邪慳な音で朝刊が差し込まれる。
向田邦子 / マンハッタン「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
朝が満ちていくときこの世には力も同時に満ちていくのだということを体で感じる。それとつながっている自分にも力が満ちてくる。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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烏(カラス)の表現・描写・類語(鳥類のカテゴリ)の一覧 ランダム5
泣きばあさんみたいにやかましいカラスがたくさんいます。夜が明けると連中はムレをなしてどこかから代々木公園にやってきて、世界が終わりかけているみたいな勢いでぎゃあぎゃあとわめきたてる
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
夏目漱石 / 吾輩は猫である
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
恐ろしい夕焼けを見た。 一生、忘れない。 あの日の円盤に匹敵するすごさだった。心動かされた。生きていたのだ。 時間は生き物だ。 何の気なしに私たちは街中を歩いていた。南国のように透明で乾いた陽ざしが、オレンジを帯びつつあった。赤い空に、暗い町並みは影絵のように浮かびあがっていた。 しかしそれはほんの序曲だった。 私たちは普段、東京で夕空を見るとき「あっちの、はるか遠いほうで、何かきれいなことをやっているな」と思う。 TVの画面を見るように、パンフレットの絵画を見るように。 でも、それから数分間の間に見たことは全然違った。 手で触れるかと思った。 透明で、赤く柔らかで、巨大なエネルギーが、町や空気の目に見えない壁を通りぬけて押してくるような迫力だった。息苦しいほどの、生々しさだった。 一日は一日を終えるとき、何か大きくて 懐かしくて怖いほど美しいことをいちいち見せてから舞台を去っていくのだ、と思い知った。実感した。 町に、自分にしみ込んでくる。なめらかに溶けて、したたり落ちる。 そういう赤が刻々と色を変え、オーロラのように展開していく。 もっとも美しく透きとおったロゼのワインや、愛妻の頰の赤、そういったもののエッセンスが、西のほうからめくるめくスピードでぜいたくに迫ってきた。 路地のひとつひとつが、ひとりひとりの人の顔が。赤く照らされては満たされていく、激しい夕焼けだった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
夕陽に煙った幻のようなエッフェル塔
岡本かの子 / 母子叙情
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夕立の雨脚鋭く縦横に交差している物々しさ
横光 利一 / 王宮「定本横光利一全集 (第10巻)」に収録 amazon
山の稜線を隠すミルク色の霧
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
「鳥類」カテゴリからランダム5
宮本百合子 / 伸子
(悪魔の)油を引いたように濡れた、黒い翼
浅田次郎 / 悪魔「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
夏目漱石 / 吾輩は猫である
山鳥の保呂羽 を雪のように降り積もらせた冠
横光利一 / 日輪
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