煙草に火を点けて、半分ほどが灰になるまでゆっくりと吸う。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置：87% 作品を確認（amazon）
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......た人間独特のものに動じないふてぶてしさも感じられる。「封筒、盗んだんやったら返して」「なんのことや。知らんで」 あっさりと否定する。睨みつけても表情も変えない。煙草に火を点けて、半分ほどが灰になるまでゆっくりと吸う。灰皿に押し付けて消しながら、ようやく口を開く。「その耳につけてるダイヤ、買うたんか」「知ってるくせに。黒崎俊一にもろたピアスやないの」「あれは失のうたはずやろ。......
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