空を漂う雪と凍りついた空気が触れ合う、透明な音を聞いたような気がした。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:99% 作品を確認(amazon)
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雪
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前後の文章を含んだ引用
......くわたしを閉じ込めて下さい。わたしの身体の奥にできた、腫瘍のような涙の塊を砕いて下さい。── わたしは、彼の胸の中で溶けてしまいそうなくらい泣いた。泣きながら、空を漂う雪と凍りついた空気が触れ合う、透明な音を聞いたような気がした。 気づかないうちにゆっくりと、雪は融けていった。病院に続く坂道を歩いている時、光の匂いのする風が正面からおりてきて、ふと立ち止まったら、もう雪はすっかりなくなっ......
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雪の表現・描写・類語(雪・霜・あられのカテゴリ)の一覧 ランダム5
綿のようなやわらかい雪が、はじめは吸いとられるように土に消えていたが
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
羽毛のような軽やかな雪が舞い降りる
三浦哲郎 / ユタとふしぎな仲間たち amazon
まっくらな夜空を埋めつくして雪が舞っていた。
浅田次郎 / ろくでなしのサンタ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
(ヒマラヤスギの)濃緑の枝をたわませながら、雪は器用にその先端にまで積もっている。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
有島武郎 / 生まれいずる悩み
日当たりの雪の壁が雲母のように薄い氷になって重なる
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
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