寒い風が 刈田 を 渡って 吹いた。
志賀 直哉 / 山科の記憶「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 ページ位置：1% 作品を確認（amazon）
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風
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山科の記憶 一 山科川の小さい流れについて来ると、月が高く、寒い風が刈田を渡って吹いた。彼は自動車の中でつけて来た巻煙草を吸いおわって捨てた。自家まで乗りつけることが気兼ねで大津への街道で降り、女はそのまま還した。彼は歩きながら、今別れて来た女のことばかり考えた。愛する女のことを別れて考えるのは快楽だ。二重の快楽だが、家が近づき、妻に偽り......
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前後左右に吹きめぐる風
夢野久作 / ドグラ・マグラ
一本道にかかると、荒い幅広い風が幾里も先の山脈からその一筋道に吹き下した。
宮本百合子 / 伸子
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みずみずしい風が吹く。それもしみったれて少しずつ吹いている。
林芙美子 / 新版 放浪記
生物の体温を持った、厚ぼったい風
大岡 昇平「野火（新潮文庫）」に収録 amazon
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