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......それから、とんとごぶさたです。お父さん、いまどうしてはります？」「……ええ、まあ、あいかわらずです」「そうでっか。お元気なら、それでなによりでおます」　出されたフグの白子は、焼きあがった丸い餅と同じ形をしていた。邦彦は男に教えられるままに、だいだいをかけ、紅葉おろしにつけて口に入れた。「どうでっか？」「ほんまに、おいしいですねェ」「ビール、飲んどくれやす」　男が阿倍野か......

単語の意味

白子（しらこ）

河豚・鰒（ふぐ）

白子・・・魚の精巣。

河豚・鰒・・・フグ科の海水魚。多くは体は太り、背びれは小さくて鱗（うろこ）はほとんどない。怒ると腹が大きくなる。食用で冬が旬。肉は淡泊でうまいが、内臓などに毒を持つものも多い。音が｢不遇｣｢不具｣と似ているため、縁起よく｢ふく（福）｣と呼ぶ地域もある。古名で「ふくべ」ともいう。