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不安そうな眼つきをして立っていた彼の妻を思い泛べた。その疑わしそうな視線が、九州から此処まで届くかと思われた。
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 ページ位置:66% 作品を確認(amazon)
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視線
忘れられない・心に強く残る
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前後の文章を含んだ引用
......た。「来ます。昨日も来ました」 と鳳岳は鼻皺をよせて少し笑った。「門倉さんからお金を貰ったので、送ってやったのです」 俺は眩しい陽の直射をうけて顔を顰めながら、不安そうな眼つきをして立っていた彼の妻を思い泛べた。その疑わしそうな視線が、九州から此処まで届くかと思われた。鳳岳は、お辞儀をして道に立ち止った。八 夏が完全に了り、秋がはじまっていた。武蔵野の櫟や樅の林は色づいてきた。 時日が経つにつれ、酒匂鳳岳の描く画は、次第に俺の......
単語の意味
視線(しせん)
視線・・・目と、目が見ようとしているモノとを結ぶ線。目が見ている方向。見つめている方向。
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監視されている気配が蜘蛛の巣状に顔に張りつく
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
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痙攣を起こして崩折れていく瞬間の父の顔が、胸の奥に刻み込まれていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
まるで映画の抽象的なシーンのみたいにくりかえしくりかえし僕の頭に浮かんでくる
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
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色素の薄くなった空色の瞳は黄ろい白眼に流れ散ってその上に幾条も糸蚯蚓 のような血管が浮き出ている。
岡本かの子 / 巴里祭
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残像のように消えずにいた。
松本 清張 / 青のある断層「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
苦い散薬が口の中へ散り残ったように、いつまでもいやなあと味がぬけないのである。
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
(昔の男に電話をかける)いつかかけてしまうかもしれないと恐れ続けてきた電話を、八年たった今日かける。 最後の数字を押す。指先で過去に触れる。十和子の過去のすべてである男に触れる。呼び出し音が鳴っている。一回、二回……。鳴っている、黒崎の身体のすぐそばで。三回……、四回、……五回。胸が締めつけられる。今にも電話をつかもうとする黒崎の手が見える。指の長い滑らかな手。そのとき急に、十和子の腹の奥底から目の 眩むようなものが 迫り上がってくる。光が真っ白に弾けて、手のなかの電話機が生き物のようにうごめく。怖い。どうしてだろう、黒崎俊一が怖い!
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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